コラム
「どう切り出せばいい?」相手にエスクロー決済を提案するときのメッセージテンプレート

記事の要約
- 「エスクローを使いたい」と言い出しにくい理由は、信頼しているからこそ起きるのかもしれません
- 条件の話をしないことが、むしろ信頼関係を壊すリスクになることがある
- そのまま使える提案メッセージテンプレートを紹介
依頼を受けた。
やり取りも丁寧で、「気持ちよく仕事できそう」だと思った。
「エスクロー決済でお願いしたいんですが・・・」って、なぜか言いだしにくい。
なぜ「言い出しにくい」のか
エスクローは、双方を守るための仕組みです。発注側にとっても、受注側にとっても、リスクを減らせます。
それでも言い出しにくい。
その理由は、たぶんこういうことではないでしょうか。
- 信用してないと思われるのではないか?
- お金の話をするのは「空気読めてない」と思われる?
- 「あいまいこそ信頼の証」だと思ってる
という空気が、未だに日本の取引には流れています。
お金の話をきっちりするのは、相手を疑っているように見える。
エスクローを提案することが、「あなたのことを信用してません」という意味に受け取られるんじゃないか、そう感じてしまうのかもしれません。
でも、少し立ち止まって考えてみると。
信頼しているからこそ、条件を曖昧にする。
その結果、齟齬が生まれたとき、誰も声を上げられなくなる。
そして「言えなかった」「言いにくかった」が積み重なって、関係が壊れていく。
実際、未払いにあったという3割のうちの4割が仕方なく泣き寝入りしたと言われています。
(参考記事:未払い問題は本当にある?)
トラブルは、不誠実な人との間だけで起きるわけではありません。
誠実な人同士でも、仕組みがなければ起きることがあります。
「信頼を壊さないための仕組み」という伝え方
エスクローを提案するとき、「あなたを疑っているわけではない」ことが伝われば、ほとんどの相手には受け入れてもらえるのではないかと思います。
大事なのは、言い方です。
ビジネスライクに切り出すより、「お互いのために」という文脈で伝えると、相手も構えずに受け取りやすくなります。
そのまま使えるメッセージテンプレート
状況に合わせて3パターン用意しました。文章は自由に調整してください。
【パターン1】初めての取引・丁寧に説明したいとき
お世話になっております。
このたびのご依頼、ありがとうございます。
ひとつご相談なのですが、今回の取引に「エスクロー決済」をご利用いただけないでしょうか。
エスクローとは、第三者機関が代金を預かり、納品確認後に支払いが完了する仕組みです。
○○様にお支払いいただいた代金は、納品が完了するまで安全に保管されます。
お互いに安心して進めるための仕組みとして、ぜひご検討ください。
ご不明な点があれば、いつでもご説明します。
【パターン2】継続取引の相手に提案するとき
いつもお世話になっております。
少しご提案があります。
今後の取引から、エスクロー決済を使っていただけないかと考えています。○○様との取引はいつも気持ちよく進められていますし、今後もその関係を続けたいからこそ、お金の部分だけはきちんと仕組みで管理できればと思いました。
双方にとってリスクのない形を作ることで、長く安心してお付き合いできると考えています。
ぜひ一度ご検討いただけますか。
【パターン3】フランクな相手・短く伝えたいとき
一点ご相談なんですが、今回エスクロー決済を使ってもいいですか?
お互い安心して進められるので、最近使うようにしていて。詳細はこちらです → https://karibarai.com/
「信頼しているから言わなくていい」は、本当に安心?
条件をきちんと話すことは、相手を疑うことではないと思います。
むしろ「お互いが迷わず前に進めるようにしたい」という、誠実さの表れではないでしょうか。
「信頼しているから言わなくていい」という空気は、長い間それなりに機能してきました。
でも今は、その空気が知らないうちに双方の負担やトラブルのもとになっていることも、少なくないように感じます。
条件の話ができる関係は、何かあったときに「言える関係」でもあります。
それが、長く続く取引の土台になっていくのかもしれません。
言い出しにくい気持ち、よくわかります。
でも、その一言が言えたとき、本当のビジネス取引になると思います。
