コラム
「催促しなくていい取引」お金のストレスを減らす方法

記事の要約
- 催促して入金されても、確認や催促に使った時間と精神的な負担は残ります
- 「催促が苦手」という個人の性格ではなく、取引の進め方を見直す
- 金額・支払期日・支払い方法まで仕事を始める前に決めておくことで、納品後の不安を減らせます
- 未払いを防ぐだけでなく、「仕事が終わったあと、お金のことで悩まない状態」を作ることも大切です
「まだ入金されていないな」と気づいたとき
仕事を納品して数日。「そういえば、入金されたかな」と銀行口座を確認する。まだ入っていなければ、「支払期日はいつだったかな」「そろそろ連絡した方がいいかな」と少し気になり始めます。
支払期日を過ぎても入金がなければ、今度は催促の連絡を考えます。ただ、「お支払いはいつ頃になりますか?」という短いメッセージひとつでも、意外と送りづらいものです。相手が忘れているだけかもしれない、忙しいのかもしれない、あまり細かく言うと今後の仕事に影響するかもしれない。そんなことまで考えてしまいます。
結局、数日後にきちんと支払われれば、表面上は何も問題がなかったように見えます。でも、入金を確認した時間や、連絡するか迷った時間、支払いのことが頭の片隅にあった時間は戻ってきません。
未払いほど大きな問題ではありませんが、こうした小さな負担も、仕事を続けるうえでは無視できないものだと思います。
催促は「仕方のない仕事」なのか
フリーランスや個人事業主として仕事をしていると、請求書の発行や入金確認、必要に応じた催促まで自分で行うことになります。そのため、「これも仕事のうち」と考えている人は多いのではないでしょうか。
もちろん、請求や入金管理そのものをなくすことはできません。ただ、ここで分けて考えたいのは、「お金を管理すること」と「支払ってもらうために相手を追いかけること」です。
後者まで、本当に当たり前の業務なのでしょうか。
特に催促が難しいのは、単なる事務連絡では終わらないことがあるからです。こちらには正当に報酬を受け取る権利があっても、「お金に細かい人だと思われないか」「関係を悪くしないか」と考えてしまう。相手との関係を大切にしたい人ほど、言い出しにくくなることもあります。
だとすれば、「もっと上手に催促する方法」を考えるだけではなく、そもそも催促しなくて済む取引にできないかを考える余地があると思います。
未払いになる前に、取引は始まっている
未払い対策というと、支払いが遅れた後に何をするかが注目されがちです。催促する、内容証明を送る、場合によっては法的な手続きを検討する。もちろん、実際に未払いになれば、こうした対応が必要になることもあります。
ただ、できればそこまで行く前に解決したいものです。
仕事を始める段階で、報酬はいくらなのか、何をもって納品とするのか、いつ支払うのか、どのような方法で支払うのか。こうした条件を最初に整理しておけば、納品後になって初めてお金の話をする必要が減ります。
そして、もう一歩進めるなら、支払いそのものを相手の対応だけに委ねない方法もあります。
ここで重要なのは、相手を疑うことではないと思います。むしろ、信頼関係と支払いの仕組みを分けて考えることです。「信用しているから何も決めなくていい」ではなく、信用している相手だからこそ、お金のことで余計な摩擦が起きないようにしておく。その方が、お互いに仕事をしやすい関係になるのではないかと思っています。
「催促しなくていい」を取引の最初に作る
カリバライでは、発注者が仕事の開始前に代金を仮払いし、取引が完了した後に受注者へ支払うエスクローという方法を採用しています。
この仕組みについて説明するとき、「未払いを防ぐサービス」と表現することがあります。もちろん、それも役割のひとつです。ただ、運営していて感じるのは、それだけではないということです。
受注する側から見れば、仕事を始める時点で代金が確保されているため、納品した後に「本当に支払ってもらえるだろうか」と考え続ける必要がありません。発注する側も、仕事が完了する前に相手へ直接代金が渡るわけではありません。
つまり、どちらか一方が相手を信用してリスクを引き受けるのではなく、支払いまでを最初から取引の流れに組み込んでおく方法です。
その結果として生まれるのが、「催促しなくていい」という状態です。
仕事が終わったあと、お金のことで悩まない
未払いは分かりやすいトラブルです。一方で、「入金されたかな」「いつ連絡しよう」「もう少し待った方がいいかな」と考えている時間は、数字には表れません。
それでも、その時間に別の仕事ができたかもしれませんし、仕事を終えた後なら、仕事のことを忘れて過ごせたかもしれません。
私たちが減らしたいのは、未払いという結果だけではありません。仕事をきちんと終えた人が、その後まで支払いのことで頭を使い続ける状態そのものです。
仕事が終わったら、お金のことも一緒に終わる。そんな取引が、もっと普通になってもいいのではないかと思っています。
