コラム
ひとり法人になって、変わったことと変わらなかったこと

ひとり法人になった、という話
私はフリーランスから、いわゆる「ひとり法人」になりました。
ただ、よくあるような「独立して次のステージへ」という感覚とは、少し違います。
最初から法人化を目指していたわけでも、フリーランスという働き方に限界を感じていたわけでもありません。
結果として、今はひとり法人として仕事をしています。
それは肩書きの話というより、「今の自分にとって一番しっくりきている形が、たまたま法人だった」という感覚に近いです。
ひとり法人になって変わったことと、逆にほとんど変わらなかったことについて、整理してみようと思います。
フリーランスのままでも、仕事はできていた

正直に言うと、フリーランスのままでも仕事は回っていました。
案件が取れない、信用されない、という状況だったわけではありません。
個人としての実績もあり、やるべきことをきちんとやっていれば、仕事が途切れることもなかった。
だから法人化は、「逃げ」や「立て直し」、節税目的でもありません。
むしろ、フリーランスとしてやれていたからこそ、次に考えられる選択肢として法人が出てきた、という順番でした。
法人化を選んだ一番の理由
法人化を決めた一番の理由は、自分のためというより、サービスのためでした。
カリバライというWebサービスを始めるにあたって、「誰が運営しているのか」「どこに責任があるのか」は、どうしても見られます。
フリーランスが悪いわけではありません。
ただ、サービスという形で長く続けていくものにおいては、個人よりも法人の方が、受け取られ方として安心されやすいのも事実です。
社会的信用を“取りに行く”というより、余計な不安を持たせない形を選びたかった。
それが法人化の一番大きな理由でした。
ひとり法人になって、変わったこと

変わったことはいくつかあります。
まず、「自分=会社」という意識がよりはっきりしました。
すべての判断が、そのまま会社の判断になる。
意思決定者が自分ひとりなので、ユーザーの声を受けてから、改善や方向転換までのスピードは圧倒的に早い。
また、AIやクラウドサービスを積極的に使うことで、人を増やさずとも、固定費を極限まで抑えられるようになりました。
サービスを提供する以上、途中で止めない。安定して続けることに責任を持ちたいという考えからです。
また、ひとり法人という形は、小さく、早く、修正できるという点で、今のフェーズには合っていると感じています。
変わらなかったことと、こだわっていないこと
一方で、変わらなかったことも多いです。
私は「ひとり法人であり続けたい」と思っているわけではありません。
必要があれば人を雇う選択もするし、外部と協業する形、いわゆるギグ・エコノミー的なやり方も選びます。
今は一人でほとんどの仕事ができているから、そうしているだけ。
形にこだわっているわけではありません。
フリーランスか法人かひとりか複数か。
それ自体が目的になると、判断を誤る気がしています。
ひとり法人は「答え」ではなく、今の状態
ひとり法人は、成功の証でも、理想形でもありません。
今の自分と、今の事業にとって、たまたま合っている状態です。
フリーランスでも、法人でも、大切なのは「どう働くか」より、「どう続けるか」。
